2階建てのご自宅で1階から雨漏りする原因とは?
2023/11/21
「雨漏り」というとすぐ上の天井から雨水が漏れてくる、落ちてくるというイメージがありますが、実際には2階建ての家で1階に雨漏りするということもあります。
これは単純に雨漏りの原因がすぐ上の屋根だけではないということを表しています。
実際には雨漏りが起きている場所から離れた場所で起きているトラブルが原因となって雨漏りが起こる場合があるのです。
そこでここでは2階建ての建物で1階から雨漏りが起きる原因について紹介していきたいと思います。
屋根部分、屋根材などが原因となっている場合
雨漏りは色々な場所で起きるトラブルが原因で発生するのですが、原因のなかで多いのはやはり屋根関係です。
ここではまず屋根関係が原因となる雨漏りについて紹介していきます。
屋根材が劣化している、割れている、色褪せているなど
昔は日本では瓦屋根が多かったのですが、最近ではスレート屋根や金属屋根など色々と種類が増えてきています。
それぞれの屋根材によっても特徴が違っているのですが、共通して「破損している」「割れている」「激しく劣化している」というような状態になるとそれは直接雨漏りの原因となります。
瓦屋根だと「割れている」「ズレている」ということがありますし、スレート屋根の場合も「塗装が色褪せている、剥げている」「割れている」ということがあります。
金属屋根は軽量で頑丈ということで近年増えてきている屋根材ですが、それでも10~20年ほどで劣化してきます。
こうして屋根材が劣化してくると雨水はそこで防がれることなく、屋根下地にダメージを与えることとなります。
ルーフィングや野地板といった屋根下地の部分が雨水を直接受けるようになってくると、これらの下地もすぐに劣化していきますし、防げない雨水は雨漏りとなって建物内に侵入することとなります。
スレート屋根の場合はスレート屋根本体が無事でも表面の塗装が色褪せしたりしてくると屋根材に水分が入りやすくなるため、定期的にメンテナンスを行うことが重要となります。
塗装をすれば補修できるもの、屋根材の一部だけが劣化、破損している場合は部分交換というように対応していかなければいけません。
一部の交換では10万円前後で補修できることがありますが、全体的に劣化が進んでいてカバー工法が必要となる場合は100~150万円前後、葺き替え工事を行う場合は150~200万円前後の費用が必要となってきます。
雨漏りの対策としてはやはり屋根材はもっとも重要な場所だと言えるでしょう。
屋根の板金が劣化や破損している
屋根は屋根材の部分が大きいため、そのイメージが強いのですが、実際には屋根材だけでなく棟板金、谷板金などの板金が設置されています。
これらは屋根材同士を固定する、隙間を埋めるというように色々な用途で使用される重要な部材なのですが、こうした板金が錆びている、劣化している、破損しているという状態になるとその部分から雨水が浸入しやすくなります。
特に棟板金は屋根のもっとも高い位置に設置されていることが理由で「太陽光」「紫外線」「強風」「大雨」といった被害を一番受けやすい場所です。
こうした板金はそうしてダメージを受けやすく、劣化、破損している場合は専門業者に依頼して、それぞれの板金の補修作業や板金交換が行われます。
また、棟板金の内部の貫板が木製の場合は腐食するということも多くなっています。
貫板が腐食することで、棟板金を固定する力が弱くなり、棟板金が落下してしまう、隙間ができてしまうということがあります。
早めに劣化や破損を発見することができれば、それだけ軽い対応で済むことが多いため、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。
どういった部位の板金を、どの程度補修するかによっても変わりますが、補修費用としては、たいてい15~20万円程度の費用がかかることとなります。
屋根ではないベランダや雨樋などが原因の場合
屋根材などが劣化しているなどの理由によって雨漏りがすることが多いのですが、ベランダなどの他の部分が原因となって雨漏りがするという場合があります。
ここではそういった屋根以外の部分が原因となる場合について紹介していきます。
ベランダの屋根の劣化、床の劣化やひび割れ、排水溝の詰まりなど
家のベランダ部分も雨がよく当たる部分になるため、雨漏りに関係が深い場所と言えます。
ベランダに屋根部分がある場合、ここは建物の屋根ほど本格的なものではなく、簡易的な屋根がある場合があります。
こうした屋根は破損、劣化しやすいため床面に雨水が当たりやすくなります。
ベランダの床面はもともと防水、撥水ができるように表面がコーティング加工されているのですが、このコーティング部分が劣化してくると、防水効果が弱まり、水がベランダの内部に染み込んでいくこととなります。
こうした床面のコーティングの劣化が見られた場合は、ベランダの床面の防水層を新しくすることで防水効果を取り戻すことができます。
床面の補修工事は防水工事業者に依頼することで補修できますが、一般的に費用が10万円程度かかります。
また、ベランダの排水溝はベランダに降った雨水を外部に排出するための重要な部位ですが、こういった場所は落ち葉やゴミで詰まることがあります。
排水溝が詰まってしまうと、そこから水が外部に向かって適切に排出できなくなり、外部に向かって流れることができなくなった雨水が建物の壁や床に染み込んでいくということがあります。
排水溝の詰まりについては比較的簡単に自分でも掃除することができるので、まずは排水溝を掃除してゴミなどの詰まっているものを取り除いてみましょう。
他の作業で業者に依頼して来てもらっている場合はついでに依頼しても良いかもしれません。
雨樋が劣化、破損している、詰まりがあるなど
屋根の端の部分に設置されている雨樋は屋根に降った雨水を集めて流していき、外部に排水していくという重要な役割を果たしています。
この雨樋が経年劣化したり、破損していたり、落ち葉やゴミなどが詰まったりしていると適切に水が流れていかずに外部に水を排出することができず、建物や外壁に向かって溢れ出ていくこととなります。
水が雨樋から溢れ出ると屋根や外壁に流れていったり、隙間から屋内に水が浸入していくことがあり、雨漏りにつながる場合があります。
雨樋は横向きに水を流していく部分だけでなく、水を集める集水器、縦向きに水を流す部分と色々な部分があるため、どこかにトラブルが起きると正常に動かない可能性があります。
雨樋については屋根の端といった高い場所にあるため、破損、劣化していても自分で修理するのは非常に危険です。
専門の業者に依頼して補修、交換をしてもらうようにしましょう。
雨樋の一部交換であれば3万円程度、すべてを交換する場合は10万円程度の費用がかかります。
天窓や窓サッシなど窓関係の部分の劣化、破損など
建物の外壁部分に設置されている窓サッシ、ドア、換気扇といった部位は外壁部分に穴を開けてその穴に部材をはめ込んでいる形になっています。
こうした外壁部分と部材の境目の部分にはコーキング材が打ち込まれているのですが、コーキング材は経年劣化していくため、これが劣化していくとバラバラと剥がれ落ちたり、隙間ができてしまうために雨水が浸入するということがあります。
また、採光のために屋根の部分に天窓がある場合は、この天窓のガラスパッキンが劣化していくということがあります。
この場合もこの劣化しているパッキンなどの隙間から雨水が浸入していくこととなるため、補修が必要となります。
コーキング材自体はホームセンターなどで購入することができるので個人でも購入をすることができるのですが、コーキング材の使用の仕方や使用するべき場所を間違えるとそれが原因で大きなトラブルになる場合もあるため業者に依頼するほうが安全です。
よくあるミスとしては「塞いではいけない隙間まで塞いだ」「十分な量を打ち込んでいない」といったことがあります。
また、天窓のガラスパッキンの交換については天窓補修が可能な業者に依頼することとなります。
この場合、費用が5~10万円程度かかります。
外壁部分が原因の場合
屋根、ベランダ、雨樋といった部分の他には「外壁」が雨漏りの原因となる場合があります。
ここでは外壁部分が原因の場合を紹介していきます。
外壁部分のひび割れ、膨れ、浮きなど
建物の外壁の素材がモルタルの場合は外壁のひび割れが雨漏りの原因になっている場合があります。
小さいひび割れ、クラックと呼ばれるようなものの場合はそこから割れている部分が広がっていくことがありますし、大きなひび割れができている場合は雨漏りの原因になりますので、すぐに修理が必要です。
特に窓枠の周囲などの外壁にひび割れが起こりやすいので注意が必要です。
小さいひび割れの場合はコーキング材を打ち込むなどして補修することができる場合があります。
この場合の費用は5万円程度となっています。
外壁の目地部分、コーキング材の劣化
外壁の目地の部分には、目地に沿ってコーキング材が打ち込まれているのですが、そのコーキング部分が劣化することでそこから水が浸入している可能性があります。
外壁素材にサイディングボードを使用している場合は特に注意が必要です。
コーキング材の補修については、コーキング材を上から追加で上塗りする補修方法と、古いコーキング材をすべて除去して新しいコーキング材を注入する「打ち替え」という補修方法があります。
費用は少し高くはなりますが、長い耐用年数を期待できる打ち替えのほうがおすすめです。
こちらも費用は5万円程度となります。
外壁塗装がメンテナンス時期である
外壁の素材によっては外壁塗装がなされていることがあります。
こうした塗料には耐用年数が決まっているため、時間が経つと劣化していきます。
塗料が劣化していくことで防水性が弱まり、雨水をすべて防ぐことができなくなる場合があります。
このような外壁塗装の劣化も雨漏りの原因となります。
まとめ
実際には建物内で雨漏りが起きる場合は屋根関係のトラブルが原因となることが多いのですが、ベランダや外壁のトラブルが原因で雨漏りが発生する場合もあります。
2階建ての建物で1階から雨漏りがしている場合などは色々な原因が考えられるため、どこが原因となっているのかを特定した上で適切に補修をすることが重要だと言えるでしょう。
山田工芸では、これまで4,000件以上の雨漏り修理の施工実績があります。
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山田工芸にておこなった雨漏り修理の施工実績