屋根の葺き替え工事とは?
2023/01/17
屋根は家の中でも最も負担が掛かる箇所と言っても過言ではありません。雨や厳しい紫外線、台風の際など最もダメージを受けやすいのは屋根です。そして同時に、家の中で最も大切な箇所の一つと言えます。近年は異常気象により、家屋が損壊したり、崩れたりする災害が多く発生しています。自然災害による家屋の損壊を防ぐため、屋根の葺き替えを行うことで、家屋へのダメージを減少させることも期待できます。この記事では、そもそも屋根の葺き替えとは何か、屋根の葺き替えが必要なタイミングはいつなのか、屋根の葺き替えを行うメリットは何なのかなどについて解説していきます。
屋根の葺き替えとは
葺き替えとは、「ふきかえ」と読みます。あまり一般的には使用する言葉ではないため、葺き替えを知らない人も多いかと思います。「葺く」とは、屋根材を設置して仕上げるという意味になります。つまり、屋根の葺き替えとは、古い屋根材をすべて撤去して、下地も新調して新しい屋根材を設置することを意味します。また、葺くという言葉を使用した屋根修理の種類は、他にも「重ね葺き」、「葺き直し」というものもあります。「重ね葺き」とは、すでに設置されている屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を覆い被せる方法で、カバー工法とも呼ばれます。さらに、「葺き直し」とは、瓦屋根に適用される工法で、既存の瓦を一度すべて外し、屋根の下地を補修してから、もともとあった瓦を改めて並べ直す方法です。このように、屋根の補修と一口に言っても、さまざまな工法があります。
葺き替えが必要な時
前述した通り、屋根の葺き替えとは、屋根のリフォームであることは理解していただけたと思います。では、屋根の葺き替えが必要なタイミングとはいつなのでしょうか。ここでは、屋根の葺き替えが必要なタイミングについてその判断基準を示します。
①雨漏りがひどい
第一に、屋根の葺き替えが必要な場合に、雨漏りがひどいケースがあげられます。屋根の下地は、防水紙、野地板、垂木という素材で構成されています。この中でも、重要な構成材は防水紙です。屋根に多少の傷みがあっても、防水紙がしっかりしていれば、実は雨漏りは起きません。しかし、防水紙が欠損してしまうと、雨漏りが発生してしまいます。さらに、そのまま雨漏りを放置してしまうと、野地板や垂木までもが雨水により侵食されてしまい、雨漏りを助長してしまう原因となります。雨漏りが発生したら、すみやかに屋根の葺き替えを行うことをおすすめします。
②屋根材の亀裂や傷み方がひどい
第二に、屋根材に大きな亀裂や傷がある場合に、屋根の葺き替えが必要になります。例えば、屋根材の錆による穴あき、台風による屋根材の欠損、屋根材の亀裂などがある場合は、防水紙、野地板、垂木にも欠損が発生することが予想されますので、早めに屋根の葺き替えを行うことをおすすめします。
③屋根の耐久年数による寿命時期
築年数が長い住宅の場合、定期的に屋根のメンテナンスを行っているケースでも、屋根材としての寿命が経過しているために屋根材の葺き替えを行う必要があります。屋根材の寿命は、素材の違いや、こまめなメンテナンスを実施していたかどうかにもよりますが、おおむね20〜50年が屋根の葺き替えを行うことが必要です。
屋根のメンテナンスは塗装のみでは不十分?
屋根素材のメンテナンスとして、もっとも手軽に行えるのは塗装です。値段の関係からお手軽に施工できる屋根の塗装は、一見賢い屋根のメンテナンス方法と見えるかもしれません。しかし、築年数が経ち、劣化の激しい屋根材に塗装を施しても、塗料が接着せず、防水性を元に戻すことはできないでしょう。屋根の塗装のし直しはあくまで、防水性や外観を直せるだけで、割れや穴あきなどの損傷が激しい屋根の場合は、やはり屋根の葺き替えを行うのが無難な選択です。費用面でみれば、屋根の葺き替えは、屋根の塗装よりも大幅に施工料がかかりますが、長期的な視点に立てば、その場限りの屋根の補修である塗装よりも、屋根の葺き替えの方が、結果として経済的である場合が多いです。
屋根の葺き替えるのに適した屋根材
屋根の葺き替えに適した屋根材として近年よく使用されているものに、ディプロマットスター屋根・エコグラーニ屋根・スーパーガルテクト・横暖ルーフなどがあります。詳しくはリンク先のページをご覧ください。
屋根の葺き替え工事を行うメリット
屋根の葺き替えを行うメリットについて代表的なメリットは以下の通りです。
①屋根の下地を修理できる
屋根の葺き替えでは、表面の和瓦やスレート瓦などをすべて外し、屋根の下地まで修繕・新調を行います。そのため下地から新築に近い状態の屋根にすることができます。これにより、屋根の防水性をより回復させることができ、家を長持ちさせることができます。
②家屋の耐震性を上げる
屋根の葺き替えでは、屋根の軽量化を行うことが可能です。それにより建物の重心が下がり、地震による揺れの影響を軽減することができます。
屋根の軽量化は行政も推進しており、横浜市も補助金支援をしています。詳しくはこちら
屋根の葺き替え工事を行うデメリット
屋根の葺き替えにはメリットもありますが、デメリットもは挙げられます。ここでは、屋根の葺き替えを施工する時のデメリットについて解説します。
①工事費用が比較的高くつく
屋根の葺き替えを行うと、古い屋根材の処分費用がかさみます。そのため、カバー工法を実施する場合と比較して、屋根の葺き替えの工事費用が比較的高くなることが危惧されます。ただ、下地から全て新調する葺き替えは、メンテナンス周期が長くなるため長期的な視点ではお得になる場合が多いです。
②工事中に発生するホコリ・騒音・振動が出る
屋根の葺き替えを行う時には、古い屋根材を撤去する必要があります。そのため、他の作業よりも、ホコリが多量に出たり、騒音や振動なども大きくなります。家族に体調を崩しやすい人がいたり、幼児やペットがいる家族にとっては、心配する場面もあるかもしれません。そのため山田工芸では最大限養生やなどを施し、最大限配慮して施工を行います。
葺き替えの施工事例
横浜市青葉区にて屋根修理(セメント瓦からガルバリウム屋根に葺き替え)
横浜市神奈川区にて雨漏り修理(瓦屋根からしおさいに屋根の葺き替え工事)