屋根修理のクーリングオフについて
2022/07/28
詐欺被害に遭ったら、クーリングオフ制度を利用することで契約を無効にできるという話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
屋根修理においても同様で、詐欺被害に遭った場合にはクーリングオフ制度を利用することができます。
この記事では、屋根修理におけるクーリングオフの申請方法をご紹介します。クーリングオフ期間が過ぎた場合の対処法や屋根修理の悪徳業者についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
クーリングオフとは?
そもそもクーリングオフとは、商品を購入した消費者が契約後8日以内であれば、業者との契約を強制解除することができる制度です。
この制度は屋根修理などのリフォーム工事においても適用され、契約後8日以内であれば契約を強制解除することができます。
クーリングオフの適用条件
クーリングオフはどんな場合でも適用されるわけではありません。クーリングオフが適用される条件は以下の3つです。
① 契約後8日以内である
クーリングオフは屋根修理業者と契約を交わしてから8日以内に手続きを行うことで適用されます。
契約の際には、クーリングオフについて記載された書面が必要になるため、正確には「クーリングオフについて記載された書面を受け取ってから8日以内」となります。
そのため、屋根修理業者と交わした契約書にクーリングオフについて記載がない場合は、契約から8日を過ぎても適用される可能性があります。
②屋根修理業者の事務所や営業所で契約を交わしていない
契約の際、屋根修理業者の事務所や営業所などで契約を交わしていない場合は、クーリングオフが適用されます。
重要となるのは「契約者の意志で業者の元へ足を運んでいるかどうか」という点です。訪問販売や電話勧誘などで契約した場合は、契約者の意志ではなく突然訪問や電話をしているため、クーリングオフが適用される可能性が高くなります。
ただし、契約者が屋根修理業者へ足を運んだ場合でも、契約の意志がなく連れていかれた場合には、クーリングオフが適用される可能性があります。
③ 個人として契約している
クーリングオフは、個人として屋根修理業者と契約している場合に適用されます。
ただし、法人の場合でも、営業取引が目的の契約でなければ適用される可能性がありますので、クーリングオフを希望する場合は、屋根修理業者に問い合わせてみましょう。
クーリングオフが適用されないケース
クーリングオフの適用条件に配当している場合でも、以下のような場合は適用外になることがありますので、ご注意ください。
・契約してから8日以上経過している
・契約者の意志で業者を家に呼んで契約を交わした
・自ら業者の事務所に行って契約を交わした
・過去1年間で取引のあった業者との契約
・現金3,000円未満の契約
・日本以外の国で契約
ポイントは、契約者の意志で契約を交わしているかどうかという点です。
例えば、屋根修理業者の事務所でなくても、屋根修理業者が開催している説明会やセミナーに自ら参加後に契約を交わした場合や、インターネットで見つけた工事説明会に自ら申し込み参加して契約を交わした場合でも、自らの意志で足を運んで契約したと判断されるため、クーリングオフが適用されない可能性があります。
クーリングオフの申請方法
ここからは、クーリングオフの申請方法について、ご紹介していきます。
①クーリングが適用されるか確認する
まずは契約書の内容を確認し、クーリングオフに関する記載があるか確認しましょう。
クーリングオフについて正しく表記されており、契約から8日以内であればクーリングオフの申請手続きに進みます。
なお、契約書の内容に不備がある場合は、契約書が法定書面とみなされないため、すぐクーリングオフの対象となります。
法定書面とみなされる契約書は、以下のような記載があるものです。
・事業者名
・事業所の住所
・担当者の氏名
・商品名、型番
・商品の種類
・商品の代金
・代金の支払い方法
・代金の支払時期
・商品の引き渡し時期
・クーリングオフの要件、効果(赤枠赤字で8ポイント以上の活字)
・契約の申込、締結の年月日
法定書面とみなされない契約書である場合は、契約から8日以上経過してもクーリングオフが適用されます。
②「契約解除通知書」を作成する
クーリングオフは法律上書面で行うことが定められているため、契約解除通知書を作成します。
はがきや封書にて、以下のような必要事項を記載しましょう。
- 【表題 】「通知書」「クーリングオフ通知書」「契約解除通知」など
- 【契約年月日】 契約書を交わした日
- 【商品名】「屋根修理工事」「屋根葺き替え工事」などの工事名
- 【契約金額】 契約書に記載されている工事金額
- 【会社名・担当者】 契約した業者の会社名と担当者の氏名
- 【クレジット会社名】 クレジット払いの場合は、クレジット会社名を記載
- 【契約解除の意思表示】 「上記の契約を解除します」「クーリングオフします」など
- 【申し出日】 クーリングオフの通知書を作成した日
- 【契約者の住所・氏名】 契約者である自分の住所と氏名
作成した契約解除通知書は、控えとしてコピーを取っておきましょう。
③8日以内に業者へ送付する
契約から8日以内に契約解除通知書を業者に送付します。
送付の際は、郵送状況をインターネットで追跡できる簡易書留や記録として残して置ける内容証明郵便を利用されることをおすすめします。
普通郵便で送付すると、業者の中には「通知書を受け取ってない」と嘘をつき、強引に工事を進めようとする悪徳業者もいます。
必ず受け取ったことを証明できる、簡易書留や内容証明郵便を利用した方が安心です。
④クレジット会社にも通知書を送付する
工事代金をクレジット払いにした場合は、信販会社にも同様の書面を送付する必要があります。
屋根修理業者に送付した内容と同じ文面の契約解除通知書を作成し、送付します。
⑤工事が始まっている場合は中止してもらう
契約後、すでに屋根修理工事が始まっている場合には、すぐに工事を注視しましょう。
クーリングオフが適用される場合、すでに工事が始まっている場合でも工事費用を払う必要はありません。
また、クーリングオフが適用された場合には、すでに行った工事については現状に戻す義務が生じます。さらに、現状に戻す工事費用は屋根修理業者が負担します。
ただし、現状に戻すことで家が傷ついてしまう可能性がある場合や希望しない場合は、無理に現状回復工事を行ってもらう必要はありません。
⑥通知書が届くタイミングで業者に連絡する
通知書が屋根修理業者に届くタイミングで、業者に連絡を入れましょう。
一般書留や簡易書留、配達記録の付いた郵便であればいつでもインターネットから追跡できるため、業者にいつ届いたか確認することができます。
悪徳業者の中には、「この工事ではクーリングオフはできない」などといい、クーリングオフの妨害をしてくるケースもありますが、鵜呑みにせずすべて無視して進めましょう。
契約を解除したいという意思を伝えることが重要になります。
クーリングオフ期間が過ぎた場合の対処法
様々な事情でクーリングオフが適用になる期限を過ぎてしまった場合や、クーリングオフが適用できるか判断できない場合は、専用窓口や専門機関に相談しましょう。
クーリングオフについての相談は以下の機関で対応しています。
【消費生活センター消費者ホットライン】
局番なし 188
【住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)】
0570-016-100
なお、期限を過ぎてしまっても屋根修理業者に以下のような違反行為が合った場合には、不当な勧誘とみなされクーリングオフが適用されます。
・不実の告知:重要事項について事実と異なる内容を説明した
・断定的判断の提供:将来における不確実な事項について確実であると告げた
・不利益事実の不告知:不利益となることを知りながらそれを故意に告げなかった
・不退去:帰って欲しいと伝えても退去しなかった
・退去妨害(監禁):消費者が退去したいと申し出ても退去させなかった
また、屋根修理業者にクーリングオフの妨害を受けた場合も適用されます。
屋根修理における悪徳訪問業者に注意
最後に、クーリングオフする必要がないよう、屋根修理において悪徳訪問業者に騙されない注意点を7つご紹介します。
- 飛び込み営業は相手にしない
- 現在の屋根の写真や見積もりの内訳などをチェックする
- 疑問点はすべて質問してその場で解消する
- 当日に契約をしない
- 必ず他の業者の相見積もりを取る
- 契約前に家族や友人に相談する
- 業者へ断るとき、はっきりと断る
悪徳業者は、始めから関わらなければ騙されることはなく、クーリングオフ制度を利用する必要もなくなります。
また、万が一関わってしまっても当日契約は避け、信用できるか冷静に考えてみましょう。
さらに、自分では判断が難しいと感じたら、他の業者から相見積もりを取ったり、友人や知人に相談するのもおすすめです。
近年、横浜市では悪徳訪問業者が横行しています。悪徳業者の実態や優良業者の見分け方について、こちらの記事にて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
屋根修理ではクーリングオフ制度を利用することができます。
しかし、できることなら始めからクーリングオフを利用する必要がない、実績と信頼のある屋根修理業者に依頼したいものですね。
山田工芸は1998年創業以来、神奈川県横浜市・相模原市を中心に、雨漏り修理・屋根リフォーム・屋根葺き替え工事・カバー工法・雨樋工事・屋根板金工事など、屋根に関する工事一式を行っています。
実績があり、熟練の屋根職人が丁寧に責任を持って工事をしていますので、屋根修理を検討されている方は、ぜひ相談してみてください。