横浜市の塩害が屋根に与える影響について
2022/10/27
海風が心地良い横浜市の海沿いの地域は一見すると住み心地の良さそうな住環境ですが、その一方で屋根や建物などに塩害をもたらす問題が深刻化しています。
特に、海風の影響が及びやすい海沿いや坂の上に位置する住宅は、その影響を直に受けやすく、屋根や建物の耐久性に影響を与えているでしょう。
この記事では、横浜市の塩害が屋根に与える影響についてご紹介します。塩害が与える具体的な影響や塩害の被害を防ぐ方法についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
塩害とは?
塩害とは、その言葉通り塩分によって引き起こされる被害のことをいいます。
海沿いの地域や海が近い地域では、海水に含まれる塩分が風に乗り建物や植物などあらゆるものに付着することで、様々な被害をもたらします。
戸建て住宅においては、屋根が最も塩害の影響を受けやすい傾向にあり、塩害が原因で雨漏りなどが起こることも少なくありません。
そのため、横浜市のように塩害の被害を受けやすい地域では、一般的な住宅よりも家のメンテナンス周期を短くすることが重要です。
また、屋根など直接塩害を受けやすい箇所では、塩害に強い屋根材を使うなど、適切なメンテナンスを実施する必要もあるでしょう。
塩害の恐れがある海岸からの距離
塩害の影響を受けやすい地域は海岸からの距離と関連しており、横浜市では以下の3つの地域に区分されています。
海岸から建物までの距離(塩害地域区分)
・200m未満(岩礁隣接地域)
・200~500m未満(重塩害地域)
・500m~2km未満(塩害地域)
海岸から2km以上離れている地域でも、台風などの強風時には塩害の影響を受ける可能性があります。
そのため、海岸から2km以上離れており塩害地域に該当しない地域にお住まいの場合でも、塩害の被害を完全に免れることはできませんので、注意が必要です。
海岸から2km以上離れている場所でも、家のメンテナンスを行う際には塩害対策を考慮する必要があるでしょう。
塩害が屋根に与える影響
塩害による被害が進行すると、建物では様々な影響が出てきます。ここからは、塩害が屋根に与える影響について、ご紹介していきます。
雨漏り
塩害によって屋根材などに使われている金属が腐食すると、金属に穴が空いてしまいます。
屋根材に穴が空いてしまうことで、雨が降ると雨による水分が屋内に入り込むため、その結果、雨漏りが発生します。
この雨漏りにより、さらに深刻なトラブル引き起こす可能性があります。
建物強度の低下
塩害によって建物が雨漏りするようになると、建物の下地や構造部分に使われる木材が水分を含むため、腐食する可能性が高まります。
特に、木造住宅では雨漏りにより構造体の腐食が進行すると、建物の強度が低下し、さらには建物の耐震性も低下する恐れがあります。このような状況は非常に危険なため、早急にメンテナンスを行う必要があるでしょう。
シロアリ被害
塩害により建物に雨漏りが生じるようになると、シロアリ被害に合うリスクも高まります。
シロアリは湿気の多い環境を好むため、雨漏りが発生している住宅内部は絶好の住処となります。
さらに、シロアリは建物に使われる木部を食害する習性があるため、一度シロアリが発生すると、建物内部への影響が継続的に進行し、建物全体に影響を及ぼす可能性も高まります。
シロアリの被害が深刻化すると、建物を建て替える必要が出てくる場合もあります。そのため、早急な対策が求められます。
漏電・火災
塩害によって建物に雨漏りが発生すると、雨水が侵入した経路によっては漏電が発生し最悪の場合、火災を引き起こす可能性があり非常に危険です。
漏電が発生すると、家電の故障や停電のリスクが高まるだけでなく、必要以上に電気を消費するため、電気料金も増加する可能性があります。
また、漏電が発生している状態で家電に触れると、感電する危険性もあるため注意が必要です。
さらに、電気を通すケーブルや絶縁体に傷や劣化が生じることで、火災などが発生する危険性も高まります。
このような危険な状況を防ぐためにも、早急にメンテナンスを行うことが不可欠です。
シックハウス症候群
塩害により発生した雨漏りを放置した状態が続くと、建物内部にカビが発生し、シックハウス症候群を発症する可能性があります。
シックハウス症候群とは、カビが発生した環境で生活を続けることで発症する病症で次のような症状が起こることがあります。
・目がチカチカする
・鼻水が出る
・吐き気がある
・頭痛
・湿疹が出る
シックハウス症候群の原因物質は複数ありますが、雨漏りと関係しているのはダニやカビなどが挙げられます。
雨漏りが原因の場合、目に見えにくい建物内部にカビが発生することも多く、気づいた時には深刻な状態になっているケースも少なくありません。
また、シックハウス症候群のほかにもアレルギー症状を発症する可能性もあるため、早急な対策が必要だといえるでしょう。
塩害による屋根の被害を防ぐ4つの方法
塩害による屋根の被害は、様々な影響を及ぼす可能性が高まりとても危険です。
ここからは、塩害による屋根の被害を防ぐ方法を4つご紹介します。
定期的な洗浄を行う
日常的に行える塩害対策としては、月に1回程度の定期的な屋根の洗浄が有効です。
定期的に屋根を洗浄することで屋根に付着した塩分を洗い流し、塩害の被害を抑えることにつながります。
ただし、屋根の洗浄は高所作業になるため、転落などの恐れもあり非常に危険です。
屋根の洗浄は、必ず屋根の専門業者に依頼するようにしましょう。
塩害に強い塗料を使う
屋根のメンテナンスを行う際、塩害に強い塗料を使うのもおすすめです。
一般的に、屋根の塗装は10~20年サイクルで塗り替えが必要とされています。
ただし、塩害地域については、メンテナンス周期を早めることで被害を抑えられるため、例えば、耐用年数10年の塗料であれば、7~8年前後のサイクルで塗り替えを行うことが有効です。
屋根の塗装を塗り替る際、塩害の影響を受けにくい塗料を採用することで塩害による屋根への影響を抑えることができますので、塗り替えを行う際は、屋根塗装を行う業者に相談してみてください。
屋根の葺き替え・カバー工法
塩害の被害が深刻で、屋根塗装では改善されない場合は、屋根の葺き替えやカバー工法を検討されることをおすすめします。
ただし、屋根の劣化が表面だけでなく、内部まで進行している場合や、雨漏りが発生している場合は、屋根材だけでなく屋根の下地や建物内部まで腐食している可能性があります。
このような場合には、屋根の下地や内部の修理も必要なため、カバー工法では対応できないため、葺き替えを行う必要があります。
いずれの場合も、屋根の専門業者でなければ判断がむずかしくなりますので、まずは専門業者に相談してみましょう。
塩害に強い屋根材を使う
屋根の葺き替えが必要である場合には、新たに使用する屋根材は塩害に強いものを選ぶと良いでしょう。
塩害に強い屋根材はいくつかありますが、中でも代表的なものとして「SGL鋼材」というものがあります。
SGL鋼材は、多くの屋根材に採用されているガルバリウム鋼板を改良したメッキ鋼板で、ガルバリウム鋼板の約3倍もの耐久性を誇っており、塩害にも強いです。
このような特徴があることから、SGL鋼材は塩害地域の屋根材の主流となっています。
くわしくは、実際に施工を依頼する専門業者と相談のうえ、決める必要がありますが、塩害による被害を抑えたい場合は、塩害に強い屋根材を使うことをおすすめします。
まとめ
塩害が屋根に与える影響は大きく、横浜市内でも磯子区、金沢区、神奈川区、中区、西区、南区の一部など、海岸沿いや高台に建ち海風を真正面から受ける住宅は、影響があります。
塩害の被害をなくすことはできませんが、対策を取ることで塩害による被害を最小限に抑えることが可能です。
山田工芸は1998年創業以来、神奈川県横浜市・相模原市を中心に、雨漏り修理・屋根リフォーム・屋根葺き替え工事・カバー工法・雨樋工事・屋根板金工事など、屋根に関する工事一式を行っています。
実績があり、熟練の屋根職人が丁寧に責任を持って工事をしていますので、屋根修理や塩害対策を検討されている方は、ぜひ一度、相談してみてください。