雨漏り修理を「コーキングだけ」で終わらせるのは危険?そのリスクと正しい対処法
2022/09/16

こんにちは。横浜の屋根修理専門・山田工芸です。
最近、「雨漏り修理がたったの2万円!」という広告をインターネットやSNSでよく見かけるようになりました。
こうした格安修理の多くは、「雨漏りしている箇所にコーキングを打つだけ」という内容です。確かに一時的には雨漏りが止まるケースもあり、緊急時には助かる対応かもしれません。しかし、コーキングだけの修理では根本的な解決にはならないことが多く、結果的にトラブルを長引かせてしまう恐れがあります。
この記事では、雨漏り修理をコーキングだけで済ませるリスクと、山田工芸が考える本当に安心できる修理のあり方についてお話しします。
「コーキングだけの雨漏り修理」が選ばれやすい理由
突然の雨漏りに慌ててしまい、「なるべく安く直したい」「とりあえず今だけでも雨を防げればいい」と考える方は少なくありません。
その心理につけこむ形で、「部分的にコーキングを打つだけで修理完了」とする業者も存在します。実際、コーキング材自体は1本あたり1,000円前後で、市場価格として2万円の工事でも利益は出るため、こうした施工が可能になります。
また、目に見える穴や隙間にコーキングを打てば、一時的に雨漏りが止まることも多いため、「修理できた」と錯覚しやすいのも事実です。
でも本当に安心?コーキングだけでは解決できない根本原因

コーキング処理とは、あくまで「応急処置」にすぎないということを忘れてはいけません。
たとえば、風邪をひいたときに熱や痛みを一時的に抑えるために解熱剤や鎮痛剤を飲むことがありますよね。でもそれは、風邪そのものを治すわけではありません。根本のウイルスや体調不良の原因にアプローチしていなければ、いずれ再発してしまうのです。
雨漏りもこれと同じです。
コーキングで一時的に雨水の侵入口を塞いだとしても、雨漏りが発生したということ自体が、すでに屋根や外壁に何らかの構造的な問題や経年劣化が起きている証拠です。つまり、「コーキングで塞いだ場所以外にも潜在的なリスクがある状態」なのです。
なぜ雨漏りは繰り返されるのか?
屋根や外壁の構造は、表面だけでは判断できない複雑なものです。防水シート(ルーフィング)、屋根材の重なり、板金処理、雨仕舞いの設計など、多くの部材が適切に機能して初めて「雨を防ぐ」ことができています。
雨漏りが起きたときに、表面的に見える“隙間”にだけコーキングを打ってしまうと、雨水の流れや構造全体の不具合を見落とす可能性があります。すると、今度は別の場所から雨水が回り込み、数ヶ月後にまた別の場所で雨漏りが起こる……といった負のループに陥るのです。
繰り返す雨漏りが家に与えるダメージ
一度の雨漏りでも、建物の内部には深刻なダメージが及ぶことがあります。しかもそれが長期間放置されることで、被害はどんどん拡大していきます。
構造材の腐食やカビの発生
木造住宅の場合、柱や梁といった構造を支える重要な木材に雨水が染み込むと、腐朽菌が繁殖しやすくなります。また湿気を好むカビも発生し、健康被害の原因となることも。
断熱材や内装の劣化
壁内に使用されている断熱材が濡れてしまうと、断熱性能が著しく低下します。また、天井や壁のクロスが剥がれる、シミになるといった内装被害も深刻です。
電気配線への影響
水が電気系統に達すると、漏電や火災のリスクを高めることにもなります。特に屋根裏や壁内に通っている配線には注意が必要です。
最終的には大規模な修繕が必要に
表面的な補修で済んでいたはずの雨漏りが、構造躯体まで影響を及ぼすと、床下・壁・天井すべてにわたる全面改修が必要になることも。費用面だけでなく、住環境への影響も計り知れません。
本当に安心できる雨漏り対策とは?
雨漏りの悩みを根本から解決するためには、「どこから漏れているか」だけでなく、「なぜそこから雨漏りが起きたのか」という原因の本質に迫る必要があります。
山田工芸では、この原因究明こそが雨漏り修理の出発点であると考え、目視では見つけにくい問題まで徹底的に調査・診断しています。
なぜ原因究明が重要なのか?
雨漏りの症状は、「水が天井に垂れる」「壁紙がめくれる」といった形で表面化します。しかし、実際に水が入っている箇所と、雨が侵入している“入口”は必ずしも一致していません。
たとえば、屋根から浸入した雨水が、構造内部を伝って窓上の壁から漏れてきている…というように、水の通り道は複雑です。そのため、経験の浅い業者や調査を省略する業者は、目に見える症状だけを処置して終わらせてしまいがちです。
雨漏りの主な原因と対処法
以下のような劣化や施工不良が雨漏りの主な原因として挙げられます。山田工芸では、これらを見逃さずチェックし、適切な処置をご提案しています。
屋根の下地やルーフィング(防水シート)の劣化
屋根材の下にあるルーフィングは、雨水を最終的に防ぐ「最後の砦」です。これが破れていると、どんなに表面を修理しても水が建物内部に浸入します。
外壁のひび割れやシーリングの劣化
外壁の継ぎ目や窓まわりにあるシーリング材が劣化すると、そこから雨水が入り込み、内部に染み込んでしまうことがあります。特に築年数の経った建物では注意が必要です。
谷樋(たにとい)や雨仕舞いの不具合
屋根の形状や勾配、雨樋の配置が不適切だと、雨水がうまく排水されずに滞留し、浸水の原因になります。板金の浮きや割れも雨漏りのリスクを高めます。
対処法は補修だけではありません
調査結果に応じて、以下のような本質的かつ再発防止に効果的な対処法をご提案いたします。
・屋根材の一部差し替えや張り替え
・防水シート(ルーフィング)の更新
・外壁の再塗装または再シーリング
・雨仕舞い部(軒先・谷・ケラバなど)の板金処理
・カバー工法や葺き替えによる屋根全体のリフォーム
こうした対応は一見すると大掛かりに思えるかもしれませんが、長期的に見れば修理の繰り返しよりもコストパフォーマンスが良く、安全性も確保できるという大きなメリットがあります。
もちろんご予算やご事情にも配慮します
「とはいえ、いきなり大規模リフォームは厳しい……」という方もご安心ください。
山田工芸では、お客様のご予算やライフプランに合わせて、段階的な修理や優先度をつけた対応も可能です。また、応急処置としてのコーキング工事にも対応しておりますが、そのリスクと限界を正直にご説明したうえで施工しています。
まとめ
雨漏りは、放っておくとお住まい全体の寿命を縮めてしまう深刻な問題です。目先の費用を抑えることも大切ですが、長期的な視点で「家を守る」選択をすることが、結果的に一番お得です。
山田工芸では、お客様の安心と安全を第一に、原因を見極めたうえでベストな修理方法をご提案いたします。雨漏りでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。