火災保険を使った屋根修理の申請方法や適用条件について解説
2022/08/03
屋根修理は、家屋の安全を守る上で欠かせないものですが、その費用は決して安くありません。
また、不慮の火災や自然災害によって被害を受けた際、思わぬ出費となりがちです。
しかし、火災保険を利用すれば、思いがけない負担を軽減することができます。横浜でも、令和元年の台風15号では多くの家屋が被害を受け、火災保険を活用した屋根修理が行われました。
この記事では、火災保険を使った屋根修理の申請方法や適用条件についてご紹介します。
屋根修理を検討されている方や、屋根の修理費用についてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
火災保険を使った屋根修理の適用条件
火災保険は、予期せぬ突発的な災害や事故による家や家財への損害を補償する保険です。
「火災」と付くため「火事」による損害というイメージを持たれがちですが、実際には、火災だけでなく、落雷や台風などの様々な損害が補償されます。
まずは、屋根修理で火災保険を使うことができる適用条件からご紹介していきます。
屋根の破損が風災・雪災・雹(ひょう)災によるものであること
屋根の修理が必要な理由として、以下のような災害が原因である場合、火災保険が適用されます。
・台風、防風
・竜巻
・大雪
・融雪水の漏水(雪解け水による被害)
・大粒の雹(ひょう)
なお、地震が原因の場合は火災保険ではなく「地震保険」の適用となるため、地震による屋根の修理が必要の場合には、火災保険は適用されません。
また、火災保険のプランによっては洪水や高潮、窃盗によって起こった破損にも適用される場合があります。
ただし、繰り返しになりますが、保険プランによって異なりますので、加入している火災保険の適用範囲を確認してみましょう。
被災から3年以内に申請を行うこと
火災保険が適用されるは、被災から3年以内の補修工事のみと保険法で定められています。(保険法第95条(消滅時効)
そのため、被災から3年以上経過後に屋根の補修工事を行った場合は、火災保険が適用されません。
ただし、被災から3年以内であれば、自費ですでに工事を行っている場合でも、保険金を請求することができます。
また、適用される期間は「被災から3年以内」であり、発見や異常発生が起こった日ではなく、「災害が発生した日が起点」となりますので、この点に留意することが重要です。
修理にかかる費用が火災保険の免責金額を超えること
火災保険には「免責金額」といって、補償される金額の下限が設けられており、工事費用が免責金額を超えた場合にのみ保険が適用されます。
保険会社によっては「自己負担額」と表記されているケースもありますが、意味は同じです。
火災保険を使って屋根修理を行う場合、工事費用が免責金額を下回ると保険請求ができません。
免責金額は保険プランによって異なりますが、一般的に20万円と設定されていることが多いです。
正確な金額につきましては、保険の証券に記載されていますので、加入している保険の証券を確認してみてください。
火災保険を使って屋根修理を行う際の申請方法
次に、火災保険を使って屋根修理を行う際の申請方法についてご紹介します。
火災保険の申請は以下のような流れで行います。
1.保険会社に問い合わせて申請書類を入手する
2.屋根修理業者から保険請求に必要な書類をもらう
3.申請書類に必要事項を記入して保険会社に送付する
4.保険鑑定人の現場調査・審査を受ける
5.申請の受理と保険金の支払い
順番に見ていきましょう。
1.保険会社に問い合わせて申請書類を入手する
まずは、火災保険を加入している保険会社に問い合わせて、申請書類を送付してもらいましょう。
申請の際には、災害が起こった日や被災状況などを伝えておくとスムーズです。
保険会社からは、「保険金請求書」と「事故状況説明書」が送付されます。場合によっては「事故状況説明書」は不要なケースもあります。その場合には、「保険請求書」のみを提出することになります。
2.屋根修理業者から保険請求に必要な書類をもらう
保険会社への申請書類請求と並行して、屋根修理を依頼する業者にも被害状況の調査と見積もりを依頼しましょう。
屋根修理業者に依頼する際には、「火災保険の申請を検討している」と伝えておくとスムーズです。
また、見積書をもらう段階で、被災した箇所の写真ももらいましょう。この写真は火災保険申請の際に必要になりますので、事前に屋根修理業者に伝えておくと安心です。
3.申請書類に必要事項を記入して保険会社に送付する
以下の書類が揃ったら、申請書類に必要事項を記入して保険会社に送付します。
・保険請求書
・事故状況説明し(必要な場合のみ)
・屋根補修工事の見積書
・被災箇所の写真
また、他にも保険会社より提出を求められたものがある場合は、併せて送付してください。
4.保険鑑定人の現場調査・審査を受ける
申請後、保険鑑定人が訪問する場合があります。これは、火災保険詐欺を防ぐために行われます。
申請内容と自宅の状況の相違がないかなどを現場調査・審査し、保険金の支給可否や金額などを決定します。
5.申請の受理と保険金の支払い
現場調査・審査に問題がない場合、保険金が支払われます。
保険金の支払いは、保険法により「請求手続きが完了した日から起算して30日以内」に支払われることが原則となっています。
ただし、大規模な災害などにより請求手続きが集中している場合は、30日を超える可能性もありますので、その点は留意してください。
屋根修理に火災保険が適用されないケース
屋根修理における火災保険の申請はすべてのケースが適用されるわけではありません。
ここからは、屋根修理に火災保険が適用されないケースについて、ご紹介していきます。
修理費用が20万円以下
火災保険には免責金額が設けられており、一般的に20万円と設定されている場合が多いです。
そのため、屋根の修理費用が20万円以下(免責金額以下)の場合は、保険が適用されません。
ただし、保険プランや特約によって免責金額が20万円以下の場合もありますので、必ず申請前に免責金額など保険の補償内容を確認しましょう。
屋根修理が必要になってから3年以上経過
繰り返しになりますが、火災保険が適用されるは「被災から3年以内の補修工事のみ」と保険法で定められています。(保険法第95条(消滅時効)
そのため、被災から3年以上経過後に屋根の補修工事を行った場合は、火災保険が適用されませんので、ご注意ください。
風速20メートル以下の風災
風災により屋根の損傷が起こった場合、風速20メートル以上の風によるものだと認められないと、火災保険が適用されない可能性があります。
一般的に風災による損害は火災保険適用範囲に含まれますが、最大瞬間風速が基準となっています。
ここで気を付けたいのは、基準となるのは「最大風速」ではなく「最大瞬間風速」である点です。最大瞬間風速は、3秒間の風速を指します。
ただし、台風が上陸した場合、最大瞬間風速は20メートルをほぼ超えていますので、風災による損害だと見込まれるものについては、条件を満たしていることがほとんどでしょう。
経年劣化
屋根が明らかに劣化している場合、経年劣化であるとみなされ火災保険が適用されない場合があります。
実際に、災害が原因で被害が発生した場合でも、被災から日が経つにつれ判断がむずかしくなることがあります。
経年劣化と判断された場合は、修理費用は全額自己負担となりますので、災害に見舞われた際には、速やかに修理を検討されることをおすすめします。
適用条件外なのに「屋根修理に火災保険を使える」と言われたら・・・
災害の後は「火災保険で直せる」と屋根や外壁の修理を勧誘する悪徳業者が頻発します。
今回の記事でご紹介しました通り、火災保険適用範囲の損害については、火災保険を請求することができます。
しかし、依頼していないのに訪問してきた業者には、注意が必要です。災害に便乗した悪徳業者が多く、「通常よりも高額な修理費用を請求される」「手抜き工事をされる」などの被害が後を絶ちません。
このような被害を避けるためにも、訪問販売業者には十分な注意が必要です。
こちらの記事では、悪徳業者と優良業者の見分け方を分かりやすくご紹介しています。屋根修理を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
山田工芸は1998年創業以来、神奈川県横浜市・相模原市を中心に、雨漏り修理・屋根リフォーム・屋根葺き替え工事・カバー工法・雨樋工事・屋根板金工事など、屋根に関する工事一式を行っています。
火災保険の代行申請は原則行っていないため、お客様自身で申請する必要がありますが、火災保険の申請フォローには対応しています。
実績があり、熟練の屋根職人が丁寧に責任を持って工事をしていますので、屋根修理を検討されている方は、ぜひ相談してみてください。