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各屋根材の耐用年数とメンテナンス方法について

2023/12/28

屋根は雨風から建物を守る重要な役割を果たしているのですが、その屋根がどれくらいの期間トラブルなく使用することができるのかは屋根材によって違っています。
それぞれの屋根材には耐用年数が決まっており、その期間が過ぎると適切なメンテナンスを行う必要があります。
定期的に行うべきメンテナンスもありますし、耐用年数よりも前に劣化サインが出てきた場合には補修メンテナンスを行う必要もあります。
ここではそれぞれの屋根材の耐用年数とメンテナンス方法について紹介していきたいと思います。

スレート屋根材の耐用年数、劣化サイン、メンテナンス方法について

スレート屋根には天然スレートと化粧スレートがあります。
ただ、天然スレートは高額なもので一般の建物にはあまり使われることはありません。
日本の多くの屋根で使用されているのは化粧スレートという人工的に作成されたものです。
ここではスレート屋根の耐用年数や劣化サイン、メンテナンス方法について紹介します。

化粧スレート

化粧スレートはセメントに繊維質の原料を混ぜこんで加工した上で、薄い板状に加工して表面に塗装をしたものです。
スレート本体の耐用年数は20~30年ほどと長くなっていますが、表面の塗料が10年程度で寿命を迎えることが多いため、塗装をし直すメンテナンスが行われることがあります。
スレート材自体は水が染み込んでいきやすい性質のため、表面の塗料によって防水性が保たれていると言えるでしょう。

【化粧スレートの劣化サイン】

化粧スレートは安くて軽く、扱いやすい屋根材として人気ですが、「割れやすい」という特徴があります。
また、塗料が薄くなるとスレート材に雨水が染み込みやすくなります。
そのため、カビやコケが発生してくる場合があります。
また、飛来物などがあると衝撃によってスレートが割れてしまう、欠けてしまうということがあります。
破損した部分があるとそこから雨水が侵入してくるため、できるだけ早く補修メンテナンスが必要となります。

【化粧スレートのメンテナンス方法】

化粧スレートは割れやすいという性質があるため、できれば5年程度に1回定期的にメンテナンスを行うのが理想的です。
その際に「破損していないか」「塗装が薄くなっていないか」について点検を行います。
破損している場合は補修か交換を行い、塗装が薄くなっている場合は塗装をし直します。

10~15年ほど経ってくると屋根材を固定している釘が錆びたり緩くなってくる場合がありますので、そうした釘などの点検や棟板金の劣化がないかどうかについても点検を行います。
この際棟板金を交換する場合は下地材など一緒に交換してしまうと効率的です。
30年ほど経つと大きなトラブルがなかったとしても葺き替え工事をすることをおすすめします。スレート屋根材の耐用年数が迎えるためです。

金属屋根の耐用年数、劣化サイン、メンテナンス方法について

金属屋根と言えば日本では昔からトタン屋根が使われてきました。
これは安くて扱いやすいということが理由でしたが、雨が降ると音がうるさい、耐用年数が短いといった理由から現在はほとんど使われていません。
代わりに増加したのがガルバリウム鋼板の屋根材です。
さらに最近はエスジーエル鋼板のものが増えてきていますが、エスジーエル鋼板についてはまだ耐用年数が過ぎるほど歴史がないため、ここではガルバリウム鋼板の耐用年数や劣化サイン、メンテナンス方法について紹介していきます。

ガルバリウム鋼板

日本では耐震性能を高めるといったことが近年急激に求められています。
長く使われてきた瓦屋根は耐久性が高いといったメリットがありますが、とにかく重量があるために耐震性の点で問題があります。
そこで屋根を軽量化することが増えてきたのですが、ここで多く使われたのがガルバリウム鋼板の金属屋根です。
ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、軽いといったメリットがあるため最近では屋根材や板金などに幅広く使われる素材となっています。

【ガルバリウム鋼板の劣化サイン】

ガルバリウム鋼板が劣化してくると表面のメッキ塗装部分が薄くなったり剥がれたりしてきます。
また、薄い金属板ですので、強い衝撃を受けると凹んだりする場合もあります。

他の劣化サインとしては金属屋根特有のものがあります。
金属は太陽光などによって高温になると「熱膨張」が起こります。
そして温度が低下すると収縮します。
こうして膨張と収縮を繰り返すことによって屋根材を固定しているステンレス製のビスが緩んだり、金属板が変形してきたりすることがあります。
ビスが緩んだりすると固定力が低下するため、屋根材や棟板金が外れてしまう可能性もあります。
また、このビス穴から雨水が内部に侵入するという原因にもなります。
ビスが緩んでいる、屋根材が変形しているという時には注意が必要です。

【ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法】

ガルバリウム鋼板は耐用年数が非常に長く、30~40年と言われています。
ある程度錆びにも強い金属となっているため、何か大きなトラブルがなければ30年ほどは安定して利用できます。
ただ、ガルバリウム鋼板の屋根材よりも下地材、ルーフィングなどの方が先に耐用年数を迎えることがあるのでそちらにも注意が必要です。

メンテナンスについては10~15年ほどで棟板金がしっかりと固定されているか、破損していないか、屋根材が破損や変形していないかといったことについて点検が必要となります。
25~30年ほどのメンテナンスでは屋根材自体は問題なくても下地材、ルーフィングなどが劣化している可能性があります。
それらを交換する際に葺き替え工事を行うのが効率的です。
もちろんこの耐用年数よりも前に「錆びている」「穴が開いている」「変形、破損している」といったことがある場合は補修メンテナンスが必要となります。
場合によってはこの時点で交換しなければならないでしょう。

瓦屋根の耐用年数、劣化サイン、メンテナンス方法について

日本で昔から利用されている屋根材です。
数ある屋根材の中でももっとも長い耐用年数を誇っており、長いものであれば50~100年ほどの耐用年数があります。

昔からずっとある建物や神社仏閣などで多く使われているのが瓦屋根です。
瓦には「粘土瓦」「セメント瓦」「コンクリート瓦」といった種類があり、それぞれに耐用年数が違っています。

・粘土瓦

その名前の通りに粘土を使った焼き物の瓦です。
かなり硬いものが当たるなどの強い衝撃がない限りは長い期間補修の必要がなく、耐用年数は50年以上とも言われています。
ただ、粘土瓦を固定するのには「漆喰」を使うのですが、漆喰が20年ほどで劣化していくため、漆喰を打ち換えるなどのメンテナンスが必要です。

・セメント瓦

こちらはセメントと砂を混ぜて作る瓦です。
粘土瓦よりも安く作成できて扱いやすいために多く利用される時期がありました。
セメント瓦の特徴としては材質がセメントということもあって、瓦本体の吸水性が高いのですが、表面の塗膜によって防水性を高めています。
そのため、表面を覆う塗膜が劣化すると瓦本体が雨水を吸ってしまうようになるため、定期的なメンテナンスが必要となってきます。
瓦の塗膜のメンテナンスは10年前後が目安となります。
塗膜のメンテナンスと漆喰のメンテナンスがしっかりと行われていれば瓦自体は30年以上の耐用年数が期待できます。

・コンクリート瓦

こちらはコンクリートと砂を混ぜて作られている瓦となっています。
セメント瓦と同様に経年劣化によって表面の塗膜が薄くなっていくために瓦自体に水が染み込んでいくことがあります。
こちらも10年前後を目安に塗装メンテナンスをする必要があります。
塗装と漆喰を定期的にメンテナンスをすることで、セメント瓦と同じく30年ほどの耐用年数が見込めるでしょう。

【瓦屋根の劣化サイン】

瓦屋根は他の屋根材と比べても耐用年数が長く、瓦自体が激しく劣化するということはあまりありません。
しかし瓦屋根は「重い」という特徴があるため、その重さに絡んだトラブルが起きることがあります。

・ズレてしまう

地震や強風などの衝撃によって瓦がズレてしまうことがあります。
瓦がズレてしまうことによって、そこに発生した隙間から雨水が内部に浸入するということもありますし、大きくズレると瓦が屋根から落下してしまうこともあります。
瓦が重量があるため落下した場合、下の人や物に当たると非常に危険です。
地震があった時などは瓦がズレていないか確認しておきましょう。

・割れてしまう

瓦はある程度耐久性があるのですが、それでも強風などで飛来物があったり、大粒の雹が降ったりすることで瓦が割れてしまう、欠けてしまうということがあります。
この場合も割れてしまった隙間から雨水が浸入したり、割れたカケラが落下したりする原因となります。

・漆喰が剥がれている

瓦自体に何もトラブルがなかったとしても瓦屋根を固定している漆喰が剥がれている、ぼろぼろになっているという状態になるとそこから雨水が浸入してしまいます。
また、固定力が弱くなることによって瓦が落下することにもつながります。

【瓦屋根のメンテナンス方法】

瓦屋根については瓦自体が長い耐用年数を持っているため、「漆喰」「ルーフィング」などが先に劣化することが多くなっています。
それらを交換した際に瓦が傷んでなければ再利用できます。
瓦自体が傷んでいるという場合は葺き替え工事を行うことになります。

まとめ

屋根材には色々な種類がありますが、それぞれに耐用年数が違っています。
屋根材ごとのメンテナンスを行うことが、耐用年数いっぱいまで屋根材を効率的に利用できることにつながるといえるでしょう。
定期的なメンテナンスに加えて、劣化サインが出ている場合などはできるだけ早く対処するということが重要だと言えます。

山田工芸は1998年創業以来、神奈川県横浜市・相模原市を中心に、雨漏り修理・屋根リフォーム・屋根葺き替え工事・カバー工法・雨樋工事・屋根板金工事など、屋根に関する工事一式を行っています。
実績があり、熟練の屋根職人が丁寧に責任を持って工事をしていますので、屋根修理を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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