屋根修理に欠かせない足場にかかる費用相場は?工事費用を抑えるポイントも解説
2023/11/02
今回は屋根工事に欠かせない足場についてご紹介します。
葺き替えなどの屋根工事は基本的に高所作業になるため足場が必要です。
足場が必要な理由や、足場の種類、足場の費用相場などについてご紹介いたします。
足場の種類について
足場にはいくつかの種類があり、それぞれ建物や条件に応じて使い分けがなされています。
それぞれに特徴、メリットがあるため、それぞれについて紹介していきます。
くさび緊結式足場(ビケ足場)
くさび緊結式足場は、近年最も多く使用されている足場です。
足場材をくさびでしっかりと固定するタイプで、「ビケ足場」とも呼ばれます。
作業床として幅約40cmの鉄製の板を屋根と平行に敷いて組み立てられます。この広い作業床は、作業員が安全かつ楽な姿勢で作業できるため、特に屋根工事においては作業効率と安全性が向上します。また、組み立ての際には、安全性を高めるためにパイプや作業床などの接合部にハンマーでくさびを打ちこんでしっかりと固定します。
安全性や作業効率の点で優れており、多くの現場で採用されています。しかし組み立てや解体時に音が出るため、騒音が気になる場合もあります。
パイプ(単管)足場
パイプ足場は、単管と呼ばれる鋼管を用いて組み立てられるシンプルな足場です。
作業床がないため、職人は渡されたパイプの上で作業を行う必要があり、安定性が低いというデメリットがあります。
かつては一般的に使用されていましたが、安定性の低さのために、最近では安定性が求められる現場ではほとんど使われなくなりました。
安全基準により、ある程度以上大きな建物では使用が制限されています。
最近では、ビケ足場を組めないような狭い立地や、部分的な足場として使用されています。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場は、パイプ(単管)足場にブラケット(支持部材)を使用して作業床を設置したタイプです。
パイプ足場よりも足元が安定しており、作業のしやすさが向上します。組み立てにはボルトを締めて固定するため、ビケ足場ほどの高い安定性は確保できませんが、パイプ足場よりは格段に安定しています。
この足場は、狭い場所や部分的な屋根工事に適しており、パイプ足場の代わりとして使われることが多いです。
ただし、ビケ足場に比べると固定の強度が低いため、大規模な屋根工事には向きませんが、屋根の端や狭いエリアでの作業に向いています。
屋根足場と外壁足場について
外壁工事や屋根工事を行う際に使用する足場には、大きく分けて屋根足場と外壁足場の二種類の足場があります。
外壁足場は、よく見かけるように、外壁の周囲をぐるりと覆うように設置する足場です。
屋根足場は、主に屋根の補修や葺き替え、屋根の塗装工事など、屋根面での作業を行う際に設置される足場です。
こちらは屋根の上に設置されるためあまり見かけることがないかもしれません。
屋根足場は作業員が安全に屋根で作業できるように、屋根の勾配(傾斜面)に沿って平行になるように設置されます。
この屋根足場ですが、屋根の勾配が6寸(約30度)を超える場合は、安全のために必ず設置が義務付けられています。
足場を組む必要性やメリットについて
足場を設置するためには日にちもかかり、また足場設置の費用も別途必要です。
意外と足場代が高いため「本当に足場は必要なの?」と思われる方もおられるかもしれません。
しかし費用や日にちをかけても足場を設置するのはそれなりの必要性やメリットがあるからです。
ここではそうした足場の必要性やメリットについてご紹介していきます。
安全性の確保のため
足場を組む一番の目的は、安全性の確保です。
屋根工事や外壁工事は高所での作業が伴うため、作業員が転倒したり落下したりするリスクが非常に高くなります。作業になれたプロであっても毎年高所から転落してなくなる人もいます。
特に急こう配の屋根は、安定性も悪く危険性も高くなっています。
安定性のある足場をしっかりと組むことで、作業員は安定した位置で作業ができ、万が一の事故を防ぐことができます。
依頼者や周囲の方の安全性のため
足場を組むことで、依頼者や周囲の住民の方にも安心感を与えることができます。
足場なしで高所作業をしていると、周囲で見ている方も「落ちそう」「安全性」は大丈夫なの?と不安感を与えてしまいます。
また安全な足場を設置することで、また安全な足場を設置することで、作業場所を確保し、塗料や工事用具などを置ける場所があることで落下して周りの方に危険がおよぶなどというリスクを減らすことができます。
足場によって作業エリアが囲まれるため、飛散物や道具が外に飛び出すのを防ぎ、周囲の安全を守ることができます。
塗装工事の場合などは飛散防止ネットなども設置し、アスベストの解体を扱う工事の場合は、飛散防止のシートを貼ります。
そうすることで依頼者や周囲の方の安全もお守りすることができます。そして職人もその環境の中で集中して仕事ができます。
質の高い作業を行うため
足場をしっかりと組むことで、安定した作業場が確保できるため、作業の質が向上します。
慣れたベテランの職人であっても不安的な姿勢や作業場所が十分に確保できないような環境では仕上がりに影響が出てきます。
安定した足場があることで、作業員は安全で快適な作業環境が得られるため、屋根や外壁などの高所での作業がスムーズに行えます。これにより、作業の精度が上がり、工事や補修がより高い品質で仕上がります。
特に屋根工事や塗装、葺き替えなどの精密さが求められる作業では、足場の安定性が作業効率を大きく左右します。
しっかりとした足場があれば、手を伸ばす場所や角度も調整しやすく、細部まで丁寧に作業を行うことが可能となります。これにより、仕上がりの美しさや耐久性が向上し、長期的に見ても品質が保たれることにつながります。
足場の費用相場について
こちらでは足場にかかる費用相場についてご紹介します。
単価について
一般的な屋根足場の単価は1㎡あたり「1000円程度」が相場です。
費用を算出するには、この単価に足場が必要な面積をかけて計算します。
上でご紹介した主な足場の施工単価は下記のようになります。
・くさび緊結式足場(ビケ足場):1平方メートルあたり約800円~1,200円
・パイプ(単管)足場:1平方メートルあたり約700円~800円
・単管ブラケット足場:1平方メートルあたり約800円~1,000円
これらの単価は、地域や施工条件、工事の規模によって変動する可能性があります。
また、足場の設置面積や高さ、作業内容によっても費用が変わるため、具体的な見積もりを業者に依頼することをおすすめします。
屋根足場は、外壁の周囲に設置する足場と比べると単価が少々高くなる傾向があります。
屋根の勾配などによって費用は変化しますが、だいたい600~1500円程度とお考えください。
実際にかかる足場の費用相場
足場の費用は、建物や屋根の条件によっても異なってきますが、平均的な戸建ての工事では、「10~20万円程度」が多くみられます。
施工面積が増えれば増えるほど費用の総額は高くなります。
前述のように屋根の傾斜が急な場合は屋根足場が必要になるため、上記の外壁の周囲の足場に加えて屋根足場の費用も必要になります。
屋根足場だけでは工事ができないため、屋根足場と外壁の周囲の足場の二つが必要になります。
そのため屋根の勾配が急な場合には足場の全体の費用が高くなります。
他にも、立地が狭い路地の奥であったり、道幅が狭くて大型車両が通行しにくい、近くに車が停められない、高低差が大きいなどのような場合も足場の費用が高額になりやすいといえます。
屋根足場を組む際の注意点、費用を抑えるポイント
足場設置でトラブルを避けるために注意点やポイントをご紹介します。
自分の家の車や自転車などはできるだけ移動しておく、近所の車などにも注意する
屋根足場を組む際には工具などが落下する可能性もありますので、付近には車や自転車は置かないことが基本です。
自分の家の車などが傷ついた場合は修理費用などがかかる可能性もありますし、近隣の家の車や自転車に傷をつけたり、塗料が飛散したりすると大きなトラブルになる可能性があります。
屋根足場を組む近くに車や自転車などがないかどうかは必ず注意しておきましょう。
責任の所在、瑕疵保険の範囲を確認しておく
屋根足場の組み立てや解体を行う際に建物の外壁、カーポート、窓ガラス、車、自転車、花壇などを傷付けてしまうということがあります。
これは自分の家のものだけでなく、近隣の家の屋根や外壁、車などを傷つけるということも含まれます。
もちろんこういった場合はトラブルを起こした業者によって補償されるのが普通なのですが、屋根工事業者が直接足場を組むのではなく、足場専門の業者に下請け依頼していることも多いのでどこに責任があるのかがあいまいになる場合があります。
また、工事を正式に依頼する前に足場業者が瑕疵保険に加入しているかどうか、補償範囲がどこまでなのかを必ず確認しておく必要もあります。
まとめ
屋根修理、塗装、メンテナンス、葺き替えなどを行う際には屋根足場を組むことが多くあります。
ただ、必ず組む必要があるというわけではなく、条件によっては不要な場合もあります。
足場を組むかどうかは屋根の修理業者と相談の上、組むのですが、安全性のためには組むことをおすすめします。
山田工芸では、足場の設置も自社でおこなっております。その為、他業者では発生する足場設置費用を抑えることが可能で、その分の費用を丸々屋根修理に充てることができ、他業者よりお得に屋根修理を実施することが出来ます。
また、横浜市内でも珍しい、屋根職人も塗装職人も自社職人であり、常にチームが連携して屋根修理と外壁塗装セットのご依頼も承っております。
屋根修理、外壁塗装をおこなう際に、足場の組み立ては必要になってきます。1度の足場の設置で、屋根と外壁両方のメンテナンスをおこなうことで、足場の費用を抑えることも可能です。
山田工芸でおこなった屋根修理と外壁塗装のセット工事